このツアーに臨むにあたり、俺には一つの懸念があった。
それは、並々ならぬ気合いを入れて集めに集めている仮面ライダーWの変身アイテム「ガイアメモリ」の限定版が、まさにツアー中の12日にジャスコ限定で発売される、という情報があったからだ。
ガイアメモリは大人気商品、発売日を逃したら手に入らない!絶望の淵で調べると、酒田にはジャスコがあるらしい。これは神の思し召しか…
数日前からそのことしか頭になかったクソオタク大内は、主催者さんのお父上にジャスコへのルートを訪ねたり、自転車やバス・タクシーなど様々な手段を深夜まで検討していたが……結局ドライバー津金の善意により朝イチで車を出してもらうことに。今まで一番メンバーに感謝した瞬間かもしれない。笑

うひょー山積み! 競争率が低い田舎サイコー!!
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昼。前日関西でライブをして、わずか一晩で山形までやってきたセバスチャンX。
この東北ツアーには、ライブをやる以外にもう一つ、俺たちには大事な目的があった。
SEBASTIAN X、オワリカラ、太平洋不知火楽団。
この3バンドがこの盆という時期に山形に揃ったというのは、何か運命的なものがあったのか、それとも何かに引き寄せられたのか。
酒田市の隣町にある寺院。ここには、昨年末に亡くなった俺たちの友達が眠っている。
台風が接近し大雨が降っていたが、その場に到着した途端に雨が上がった。
こういうことは、本当に起こるものなんだ…
11人でまだ新しい墓石を囲む。
オワリカラがついに作り上げた「ドアたち」を、セバスが新譜「僕らのファンタジー」を、
そしてここにいる“12人”の演奏、歌、声、すべてが込められた「TOKYO NEW WAVE 2010」を墓前に置く。並べられた新人バンドのCD三枚が、世界中のどんな名盤よりも輝き、壮観に見えた。
奴の訃報が飛び込んできたのは、この「TOKYO NEW WAVE 2010」に入っている太平洋の二曲のボーカル録りをしている真っ最中だった。
どうだ、ちゃんと完成したんだぜ。
ちなみに太平洋三人は詫びた!だって新作ない!笑「ゴメン!俺たちアルバム間に合わなかったからまた今度持ってくるわ!」と。10月だぞ
皆が胸の内にどんな思いを秘めていたかはわからないが、ちゃんとここに来れたこと、またこうして会えたことの喜びは感じていたから、11人は笑顔だった。
そして墓石に刻まれた奴の戒名は、それはそれは立派でこの上なく奴らしい、最高な名前だった。これからはその名で、また俺たちを見守っていてほしいと思ったよ。
弘真好音居士!またな!
この日あれだけ騒がれていた台風は、酒田を避けて去っていった。
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不知火ズ三人は、酒田の漁港へ観光。日本海に太平洋現る。
生まれて初めて生牡蠣を食らい、刺身という刺身を食って日本海を制した。

刺身喰らう日本海不知火楽団
東北はこの日からお盆休みに入る風習があるそうで、昨日に増して多くの方々がもっけだフェスにやってきた。

東京のライブハウスシーンに明るいお客さんがたくさんいて驚く。
YOMOYA、オワリカラ、セバス、太平洋の皆でサインを寄せ書き
僕も客として自由に楽しんだ。感謝。
ライブ後(深夜二時)、セバスの男衆とラーメン。土方の兄ちゃんとチンピラが集う廃れた場末の店に東京のバンドマンは明らかに場違いだった。ものすごおーく可もなく不可もないラーメンを腹に入れて阿部さん宅へ。
それにしても、ライブ前もライブ中もライブ後も寝ても起きてからも、YOMOYAの兄さんたちは東京でも山形でもどこでも完璧なYOMOYAだった。底力が違う。ブレない。
ライブがない日の方が書くことが多い。